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天の詩?

[432]  Joe  2008-02-20投稿
その頃、沖田は荷物部屋の前で
おろおろ
していた。
みきを運び、寝かせたまではよかった。
「・・・」
降ろして、さぁ部屋を出ようと立ち上がった。



視界の端に何か写ったと、眼を落とすと
身体が固まってしまった。
「え、・・・え?!」
我が目を疑うしかなかった。
寝かせたはずの人の体がひとりでに
ふぅわり
持ち上がり、布団が滑り落ち、髪がほどけたかと思うと、
するん
と帯がほどけだした。
「ええ!!」
硬直する身体を何とか動かして、後ろ手に戸を開け、倒れ込む様な姿勢で飛び出した。
慌てて戸を
びしゃん
と閉めた。
心臓が口から転がりだしそうな位、激しく打ち鳴って、呼吸が乱れた。
「おい、どうした。」
顔を上げると、新八が近藤の部屋から出て来たところだった。
今にも泣き出しそうな沖田を見て
「ぉぃぉぃ。」
小声で近づいて来た。「どうした?」
と言うので、

と、戸を開けて中を見せた。様子を見て新八は
ぎょ
として、
ぴしゃん
とまた閉めた。
「な、なんだありゃ。」
わかりません、と首を振った。
「また奴なんじゃ?」
「でも、あの嫌な感じも何もありませんよ。」
じゃぁ
「一体何だ?」
「それより、どうしましょう?このままだと、裸になっちゃいますよ。」
はん
と考えて新八が、
「何とかふんじばって抑えてこい。」
沖田の背中を押した。
「わ・・わ、わ、私は無理ですよ。」
背中を押しかえした。
「そんなら、俺の方が無理だ。あの娘に手ぇだすわけにいかねぇんだからよ。あんなもん目の前にしたらどうなるか・・・。」
とまた押した。
「そんな、私だってどうかなるのは嫌ですよ。」

おまえなら大丈夫だ

押し返そうとする沖田を、無理矢理部屋へ突き入れた。

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