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奈央と出会えたから。<93>

[686]  麻呂  2008-03-03投稿
* * * * * *

聖人はー



あたしと付き合い始めてからー



毎日学校に来る様になっていたー。





ガラッ―ー‐。



『おはよ―っす。』


バンッ―ー‐。



いつもの様に、聖人がペチャンコのカバンを机の上に置きー


『こらっ!!北岡!!今何時だと思ってるんだ!!』



いつもの様に担任の渋川が聖人に注意するー。



『んーっと、
8時45分でぇーす。』



聖人が笑顔で答えるー。



『馬鹿者!!何を偉そうに答えてる!!』



渋川は何時になくテンションが高かったー。



最近、渋川のヤツー


教師としての威厳を無くしかけてたからねー。



『ほーい。センセ、俺が体弱いの知ってんじゃん?!
でもほら、二学期入ってから休み減ったじゃん?!
俺はセンセの思ってるよか真面目な普通の少年なんだぜ!!』



そう言ってー



聖人は机の上に一時限目の教科書をおいたー。



『馬鹿者!!普通の真面目な生徒が、そんなペチャンコのカバンを持ち歩くか!!どうせ教科書は全て机の中に入れっぱなしにしているんだろう?!』



『ピンポーン。』



『北岡!!お前には反省と言う言葉は無いのかっ!!』



渋川ってばー



ここでそんなに頑張ったってー



あんたの株は上がらないわよー。



もう聖人を解放してよー。



こんな事を思うなんてー



近頃、あたしも随分と性格が悪くなった様な気がするー。



『とにかく北岡。
お前、今の様な生活態度は他の生徒の迷惑にもなるんだ。
十分気をつけて行動する様、心がけてくれ。』



渋川の聖人への説教シーンはー



あたしにとっても、クラスメイト達にとってもー



物凄く新鮮だったー。



だって、聖人は入学した時からー



ずっと不登校を繰り返していたからー。


渋川に説教される場面を見る事自体が、不可能だったんだー。



教師としての威厳の見せ場が出来て良かったねー



渋川センセー。

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