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365 No10

[446]  レオン  2008-03-07投稿
何とかワンクール目の抗ガン剤治療を乗り越えた。

「よく頑張ったね」

普通病棟に戻るとおっさんが私に小さなクマのヌイグルミをくれた。


子供じゃねぇ〜よ。


頭を掻こうと手をやると
毛がもうほぼない事が分かった。


ふざけんな。
ムカつく。


母親がウィッグやニット帽を買ってきた。


こんなの…


その夜泣いた。
入院して初めて泣いた。


次の日私はピンク色のニット帽を被り看護婦に車椅子を押され病棟の広間へ向った。
別に用事もないし、病室から出たくなかったけど、気晴しにと看護婦に無理矢理連れ出された。


広間には長いベンチが何個か置いてあって、患者達が団らんする憩いの場所だった。


ぼぉ〜っと
車椅子から他の患者達を眺めていると、一人の色白なキレイな男の子が目に入った。

歳は17才ぐらいだろうか?
茶色掛ったサラサラの髪の毛に
パッチリした目
透き通る様にキレイな肌


「吉田さん!」


その子はそう言ってこっちへ手を振った。


ドキッ
とした。


私何焦ってんの?


「あら、新吾クン!」

頭の上から声が飛んだ。

車椅子を押す看護婦と男の子は知り合いらしい。


ほぉ〜新吾。
って何名前ちゃっかり覚えてんのよ私っ!!!


看護婦が車椅子をドンドン押して男の子の方へ近付く。


止めて!止めて!
こんな頭恥ずかしいじゃん。

ニコッ!


笑顔が眩しいよ新吾くん。
胸が苦しいよ新吾くん。

ど動悸かな?
苦しい。



「吉田さん、私胸が苦しいです!」
「えっ!?千夏ちゃん大丈夫?」

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