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続・ぼくを魅せて

[376]  merado  2008-03-08投稿
男たちがいなくなったのを確認すると僕は倒れた。
筋肉の活性が収まりつつあるのか、身体中がスゴク痛い。
そこで僕の意識は途切れた。
目が覚めると病院だった。どうやら彼女に助けられたらしい。情けないな。
そんなことを思っていると、彼女が病室に入って来た。ボクは戸惑いつつも言った。
「ごめんね。嫌な思いさせた上にこうやって助けてもらっちゃって。情けないよね。」
すると彼女は「何で謝るの?助けられたのは私だよ。情けないなんてそんなこと思ってない。むしろやっとか、って感じよ。」と少し笑いつつ言った。
「やっとって、何が?」とボクは思った事をそのまま言った。
「私、前にあなたの中の僕を見せてと言ったわよね。それよ。気弱で女みたいなボクではなく、男らしいあなたの僕を見たかったのよ。」と彼女はさらりと告げた。
一瞬、何の事か分からなかったが、少し考えてようやく分かった。
ボクにも少し覚えがある。おそらく、あの男の本能ともいえる感覚は彼女によってしか出せないだろう。
男らしい僕は女っぽいボク同様、彼女に魅せられたのだ。
つまり、ボクは僕を魅せてくれる彼女がいてこそ、僕になれるのだ。
それが分かった途端、ボクは彼女に告げた。
「ぼくと結婚してくれないか?今のままでは君の望む僕じゃないけど、ボクは君といれば、君の望む僕になれるんだ。どっちのぼくも君に魅せられた。だからこれからもぼくを魅せてほしい。」
彼女は少し驚いた様だったが、泣いたような笑ったような顔をして答えた。
「いいわよ。ただし、私がいるんだから、これからはずっとあなたのぼくを見せて。」
そう言って、彼女は僕にキスをした。
彼女との初めてのキスが病院とは少し残念だが、結婚のプロポーズの答えとしてはなかなかシャレてるなとぼくは自己満足に浸った。

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