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星の蒼さは 34

[505]  金太郎  2008-03-13投稿
鉄すら燃やす超高温はあっという間に数十人の人間の命と身体をを強引に奪い去った。
直撃を免れたハルも、その破壊力は、見るだけで十分理解できた。

(なんなんだ…?なんなんだよ…)

野口が呟く。

(あの晩と全く同じじゃねぇか……!)

ハルと同じくUnHappyNewYearを生き延びた野口も、この「紅」があの晩、東京に下された矢と同じものであると気付いている。

(ふざけんじゃねェ…ふざけんじゃねェよ!!)

激昂する野口。確かあいつはあの晩に両親と妹を亡くした…ハルは野口が大それた事を考える前に叫んでいた。

「撤退だぞ!!」

(てめぇは黙っとけ!)

ハルの制止も聞かず、野口は零を駆って飛び出す。

「野口…!!」

ハルもそれを追っていく。
(野口、卯月!第二波が来るぞ!回避しろ!)

ハルは回避態勢に入った。その時、天使の翼が再び紅く染まり始めたのを確認できたが、野口は相変わらず突進を続けている。
冷静さを欠いた野口にはもう味方の通信を聞く余裕が無くなってしまったのだろうなか。

「避けろよ!野口!」

ハルは零をフルスピードで突っ込ませた。


再度「紅」が世界を支配したのは次の瞬間だった。

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