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夢の想い(1)

[522]  ケン  2008-03-15投稿
昔じいちゃんが言ってた…「夢は大きく持ちなさい。大きな夢はきっとおまえの力になってくれるから…」
その時はその言葉を聞いてもたいして理解出来なかったけど、そのことを話す時のじいちゃんの優しい顔が好きだった。

「大きな夢はきっとおまえの力になってくれるから…」

………

「はぁ…」
一際大袈裟のような溜息をついて部屋を出る。
今日はじいさんが亡くなってから三回忌の日になり田舎までやってきたところ…、たいして覚えてもいない親戚の叔母さん集団からのお喋り攻撃に飽き飽きして部屋から逃げ出したところだ。
昔はよくこの村まで遊びに来てじいさんと遊んでたらしいが…、
「こんな田舎までホントに来てたのかよ…、覚えてねぇ…」
とまぁ昔の事なんてさっぱりだ…、まぁ来てたといっても小さいころだから無理もないだろうが…

「今からどうすっかなぁ…」
縁側に立ちながら今後の予定など思案してみる…と同時に声に呼ばれた。「ちょっと洋介。悪いけど下のスーパーまで飲み物買ってきてちょうだい。」
「いいけど…何買うの?ビール?」
少し考えたあと母さんはおもむろに財布から紙幣を数枚取り出して俺に渡してくる。
「ビールはなるべく少なめに買って残りはお茶と柑橘系の飲み物ね。どうせおじさん達はすぐ日本酒とかだろうからね」
「あいよ、んじゃ行ってくるよ」
そういってお金を受け取り玄関で靴を掃き戸を開けた時…
…チリン……
「ん?…鈴?」
……………
風鈴か何かかな…?と思いながら町へと足を向けた。

スーパーまでの距離は歩いて15分くらいの距離だが…いかんせんじいさんの家は高台にあり行きは下りで楽だけど帰りは階段上りときつい道程になっている。
「俺が来てた時と大分変わってんのかな…?」
そんなことを考えながら歩いていると…
チリン……
また鈴の音のような音が聞こえた…
「?」
辺りを見回してみるとそこには草が覆い繁った中に鳥居が見える。その中からさらに聞こえてる。チリン……チリン……
「…神社か?」
不思議に思いながらも自然と足は鳥居を潜っていった。
中は思ってたより広く、石畳が綺麗に並んでいる。木が多いだけあって日陰が多く涼しい。
「昼寝したら気持ち良さうだな…」
そんなことを考えながら奥へ進むと境内が見えてきた…

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