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夢の想い(7)

[406]  けん  2008-03-19投稿
恐らく夢の中だろう。
回りの風景は普段と変わらない…ただ、色がないだけ。
全てが白と黒のモノトーンに包まれていた。
漫画の世界ってこんなだろうな…。そんなことを考えながら洋介は歩いていた。
横を歩いている此葉は殆ど回りを見ないで歩いていた。
見てるのはただ横にいる長身に銀髪、おまけに狐の耳が生えている甥だ。
この世界で2人が唯一色のあるものだった。
「やっぱり…その格好…綺麗だよね。」
しみじみと思ってしまう。というか嫌でも思う。
「男が綺麗言われても嬉しくない。此葉おばさんの格好よりはましだけどな」
「おばさんいうな!私の方が年下!」
洋介は此葉を見つめてみる…が、その顔はどうみても笑いを堪えている顔になる。
此葉の姿はどう見ても”狐”そのものだった。
「なんで洋兄はそんな綺麗な格好なのに私は狐なわけ!?」
「まぁそういうなよ。かわいいし似合ってるぞ」
「え……、か…かわいいかな?」
「ぷっ…あはははっ」
涙目になりながら笑う洋介の隣で此葉は尻尾をブンプン降っていた。

夢の中を歩いて昨日の鳥居にたどり着く。
鳥居の前には狐文が待っていた。
(よく来たの。)
「そりゃあのまんまじゃ話しがさっぱりだし、じいさんが病死じゃないってのも訳を聞きたい」
(うむ。では話そうかの。九尾狐様のことは前回話しておったが九尾狐様にはご子息がおられての、その子息こそが幻蔵にあたる。そして儂は幻蔵の姉になる)
「叔母様?」
(まぁそうじゃの。それで妖狐一族は限りなく不死に近い不老の一族じゃ。まぁおぬしらは純血ではないから人と変わらぬがのう。そしてそんな妖狐一族を滅する方法がこの夢の世界を消滅させることじゃ。)
「てことはじいさんが死んだのは夢の世界を消されたってことか?」
(うむ。間違いないじゃろ)
「でも…どうして父は…」
(それは九尾狐様の尾を戻さぬためじゃ)
「尾を戻す?」
(うむ。九尾狐様の妖力はそれぞれ九本の尾に宿られておるが先の戦いで失われており今は一尾だけになられておる。その尾を探すことが幻蔵や他の兄弟たちの使命となっており幻蔵はその内二尾を捜しあて保管しておった。)
「それが此葉の貰った…」
(そう。箱の中にあると儂は睨んでおる。此葉よ箱を見せてくれ)
洋介は此葉の背中のリュックから箱を取り出した。

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