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生きる者たちの物語1ー2

[408]  しじゅう  2008-03-24投稿
「少し休憩を挟みますか?」

私は疲れた様子のサカグチに聞くと、

「いや・・いい。あまり時間がない」

彼は笑って首を振った。

「この島が海に沈むのは・・・時間の問題だからな。・・・それに私自身、そう長くはもたないよ。」

「そのような弱気なことを言われては仕える者として困ります」

「・・・ああ。だけど事実だ。・・・私が死んでも、君は島の者たちのために働いてくれ」

「サカグチ。」

「・・・それも遺言の中の一つだ」

「・・・了解いたしました」

「・・・海を恐れずに生きれるのは、この世界では・・もう君ひとりだから」

「ええ・・」

「・・さあ、日が昇らないうちに終わらせてしまおう」


サカグチは背もたれから身を起こし、再び話し始めた。

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