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夜桜

[394]  シュウ  2008-04-05投稿
ある夜の事〜
男は奇妙な夢をみた。
夢が独りでに歩いているような感覚で、自分に語っているようだったからだ。

〜〜
男はアパートの窓に立ち、颯爽と空を飛ぶ、目的などない。
素晴らしい夜景にも彼は目もくれない。この世界に楽しさは感じられないから。
しかし、今宵だけは何かが違う。
スーと赴くままに流され、たどり着いた先には満開のソメイヨシノが咲き開いている。
綺麗な桜…
男は片手にラムをとり、桜の木に語りかける。
『苦しむ事が俺の人生』

まだ寒さを残すこの季節でも男は着物一つでいる。

夜桜は男に囁くかの如く揺れている。
〜〜

この男はこの世界では何でも出来る。

しかし、何もしない。

欲望のままに動く事も
権力や金、人間には無い能力を持つ事も出来る。

しかし、何もしない。

彼は、自分の意思が全てだと考えている。
そこに存在するのは、本当の自分が居る影なのかもしれない。

7:45、男は目覚めた。ふと窓を見ると、じっと見つめたまま笑みを浮かべた。

『また新しい今日が始まる』
CNNのnewsと共に男が焼く料理の音が部屋に響いている。

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