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僕は君の未来を永遠(トワ)に。

[684]  麻呂  2008-04-08投稿
『中山!!お前、ウチの会社入って何年経つんだ!!ウチは大手大企業と違うんだ。お前の様な役立たずを置いておく余裕は無いんだよ!!ウチの会社もボランティアやってる訳じゃないんだからな!!』


僕、中山 未來 23歳―\r


今日も部長に怒鳴られた。


僕は何てダメな奴なんだろう。


正直、この《浄水器のセールスマン》と言う仕事は、僕には向いていないと思う。


三流の大学を何となく卒業して、何となく就職したこの会社も、今年で二年目になる。


セールスマンと言えば、営業成績が全てモノを言う。


僕は、今月に入って、まだ一台も浄水器を売っていない。


部長が怒鳴るのも無理は無い。


思えば、《僕のダメ人間人生》は、あの時から既に始まっていたんだ。



あれは小学校一年生の入学式―\r


“いい?未來、トイレに行きたくなったら手を挙げて、先生にちゃんと言うのよ。”


母親に、そう念を押されていたにも拘わらず、入学式が終わり、教室に戻って来た僕は緊張の為か、早速トイレに行きたくなった。


“もう直ぐ先生の話が終わる。そうしたらトイレに行こう。”


そう思って、僕はトイレに行きたいのを必死に我慢した。


“早く終わって。早くしてくれないと、もう、漏れちゃうよ!!”


泣きそうだった。


やっと先生の話が終わり、椅子から立ち上がると―\r


―同時に、僕の股関から生暖かいモノが流れ落ちた―\r


“先生ぇ〜!!未來君がオシッコ漏らしましたぁ〜!!”


その日から、僕のあだ名は“しょんべん小僧”になった。


以来、苛められっ子のレッテルをはられ、中学、高校はパシリ専門。


恋愛なんて、以ての外だった。


だからこんな僕の、つまらない青春話は暗い暗い、過去の記憶の片鱗に過ぎない。


僕って、何でこんななんだろう。


家路に沿って歩く僕の頭に、鳩が糞を落としていった。

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