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奈央と出会えたから。<122>

[664]  麻呂  2008-04-10投稿
* * * * * *

あたしは、一足先に公園に着いた―\r


なんか久しぶりだなぁ‥‥。


そう感じたのは、最近ずっと来ていなかったからかな―\r


放課後に、この公園に一人で来て、


一人で絵を描いて、

一人で帰っていたあの日々が―\r


これから、とても懐かしい思い出に変わってゆく前に―\r


あたしは、この公園で、聖人と二人だけの思い出を、沢山作る事が出来た―\r


聖人にとっても、この公園は、


結構お気に入りらしい―\r


だって―\r


今もほら、この場所が待ち合わせ場所になってる―\r





『奈央。待たせてごめんな。さ、行くぞ!!』


振り返ると、そこに聖人が立っていた―\r

いつもの優しい笑顔で―\r



『うん。』


差し出された左手を―\r


思わず強く握りしめた―\r


聖人は、いつだって優しい―\r


いつだって、あたしのコト思ってくれてるんだ―\r


冷静になって、よく考えてみれば、


さっき、あたしの髪型を見た聖人が、“全然似合わない”って言ったのも、


きっと、ミズホさんが側に居たからなのかなと思った―。


聖人が、ミズホさんの前であたしの髪型のコトを酷く言ったら、


ミズホさんは、きっと聖人に怒りを覚え、あたしに同情してくれると思うから―\r

だから、ミズホさんに折角染めてもらった、この茶色の髪を聖人に黒く染め直してもらっても、


ミズホさんは決してあたしを責めたりはしないだろうって―\r

聖人は、そこまで先読みしていたんだね―\r


それとも―\r


それは、あたしの考えすぎ?!


ただの自意識過剰?!


――じゃないわよね‥‥‥。


だって―\r


廊下で聖人は、凄く優しく抱きしめてくれたもん‥‥。


なんか‥‥


それって、凄く嬉しい‥‥‥。





あたしは、これから初めて聖人の家へ行く‥‥‥‥。

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