航宙機動部隊前史・44
各宙邦は更に、国内の星民の目を外に向けさせぬべく、情報統制に乗り出した。
その結果、彼等はネット集合体を遮断し、それぞれの国単位に情報システムを再編成すると言う挙に出た。
銀河元号一四六八年の事である。
これが人類宇宙文明に与えた影響は致命的だった。
何故なら特にそれぞれの宙邦同士の知識・情報交換が結果として皆無となってしまったからである。
その結果、各宙邦は必要な技術開発の全てを独力で行わなければならなくなり、不充分かつ不自然な環境の元、築き上げるべく体系は多かれ少なかれ偏頗な物となってしまう。
こうして各国の発展は益々停滞を極め、高まるフラストレーションによって宙際関係は年を追う毎に悪化を極める。
宙邦群は星民の増殖と管理に全てをかけ、それはある程度成功した。
銀河元号一五00年・人類総数は初めて一千億の大台を突破した。
だが、より多くを求める宙邦群は飽く無き欲望と野心の下、より過激な手を打ち始めた。
それが敵国や独立勢力への軍事力による侵攻と、住民の強制連行である。
地球時代とは違い、彼等の侵略の目的は領域や資源ではなく、一貫してヒトに有ったのだ。
こうして武力を行使してでも目指された人口増加政策は、当然ながらあらゆる場所での紛争の氾濫に繋がった。
より決定的だったのが、各国がこれに刺激されて露骨に軍事大国化を目指した事であった。
それは悪循環だった。
敵や独立勢力の抵抗を排除してヒトを狩るには武力で圧倒しなければならない。
その為には強大な軍備が要る。
だが、敵も同じ事をして来る。
それに備えて、更なる艦隊や要塞や兵員を増やさなければならない。
本国に連れ去られ来た他国星民だって、好きこのんで住みたがる訳がない。
当然、反乱や脱走の一つや二つは企む。
それを抑える為に、新たに部隊を配置しなければならない。
だが急激な軍事費の拡大は国の予算を圧迫し、又、人材の大半も軍事分野へ振り向けてしまえば、生産・技術・教育等の分野等で深刻な人材不足が相次ぐ。
このままでは肝心の経済が維持出来ない。
そこで仕方なくより多くの人間を国外から狩るべく新型艦や新兵器が揃えられる。
銀河元号一六星紀初頭、明らかになったのは、最早脱け出す事の出来ない軍事依存体質に、各宙邦がはまってしまったと言う憂慮すべき事実であった。
その結果、彼等はネット集合体を遮断し、それぞれの国単位に情報システムを再編成すると言う挙に出た。
銀河元号一四六八年の事である。
これが人類宇宙文明に与えた影響は致命的だった。
何故なら特にそれぞれの宙邦同士の知識・情報交換が結果として皆無となってしまったからである。
その結果、各宙邦は必要な技術開発の全てを独力で行わなければならなくなり、不充分かつ不自然な環境の元、築き上げるべく体系は多かれ少なかれ偏頗な物となってしまう。
こうして各国の発展は益々停滞を極め、高まるフラストレーションによって宙際関係は年を追う毎に悪化を極める。
宙邦群は星民の増殖と管理に全てをかけ、それはある程度成功した。
銀河元号一五00年・人類総数は初めて一千億の大台を突破した。
だが、より多くを求める宙邦群は飽く無き欲望と野心の下、より過激な手を打ち始めた。
それが敵国や独立勢力への軍事力による侵攻と、住民の強制連行である。
地球時代とは違い、彼等の侵略の目的は領域や資源ではなく、一貫してヒトに有ったのだ。
こうして武力を行使してでも目指された人口増加政策は、当然ながらあらゆる場所での紛争の氾濫に繋がった。
より決定的だったのが、各国がこれに刺激されて露骨に軍事大国化を目指した事であった。
それは悪循環だった。
敵や独立勢力の抵抗を排除してヒトを狩るには武力で圧倒しなければならない。
その為には強大な軍備が要る。
だが、敵も同じ事をして来る。
それに備えて、更なる艦隊や要塞や兵員を増やさなければならない。
本国に連れ去られ来た他国星民だって、好きこのんで住みたがる訳がない。
当然、反乱や脱走の一つや二つは企む。
それを抑える為に、新たに部隊を配置しなければならない。
だが急激な軍事費の拡大は国の予算を圧迫し、又、人材の大半も軍事分野へ振り向けてしまえば、生産・技術・教育等の分野等で深刻な人材不足が相次ぐ。
このままでは肝心の経済が維持出来ない。
そこで仕方なくより多くの人間を国外から狩るべく新型艦や新兵器が揃えられる。
銀河元号一六星紀初頭、明らかになったのは、最早脱け出す事の出来ない軍事依存体質に、各宙邦がはまってしまったと言う憂慮すべき事実であった。
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