携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 奈央と出会えたから。<132>

奈央と出会えたから。<132>

[683]  麻呂  2008-04-18投稿
何を迷っているの、あたしは―\r


あたしは、ずっと聖人のコトを知りたいって思っていた筈―\r

迷わず、聖人の胸中を聞きたいと思うのが当然じゃん―\r


多分―\r


知りたいと思う反面、怖かったんだ―\r


あたし―。


誰だって、誰にも知られたくない事があるし―\r


あたしだって―\r


知られたくない過去がある―\r


そして―\r


それを誰かに話す事は―\r


とても勇気を必要とする事であって―\r


だからこそ―\r


今、あたしに向かって自分の胸中を話そうとしている聖人に―\r


あたしは優しく耳を傾けてあげなくちゃって―\r


そう思ったんだ―\r





『そうなんだ?!聖人って神戸で生まれたんだ?!
神戸って小樽と同じ坂の町だったよね?!』


神戸は―\r


あたしにとって、一度は行ってみたい場所だった―\r


異国情緒溢れる港町へ―\r





『よく知ってんな?!そう、その神戸に“六甲山”って山があるんだ。

当時、走り屋だった俺の親父は、夜が更けると、いつもそこで走っていた―。

隣に母さんを乗せてね―。』


あたしの髪の最後のクリップを外し、聖人が言った―\r





『“六甲山”。有名だよね。』



『知ってるんだ?!そう。その“六甲山”のヘアピンカーブが、すげぇキツくてよ。走り屋の間では結構、有名なんだぜ。

“関西の走り屋は裏六甲を極めろ”

なんて言ってさ。』


『へぇ‥‥‥。』



聖人は―\r


最後のクリップを外した、その髪に―\r


優しく丁寧にカラーリング剤を塗ってくれた―\r





『当時、親父は走り屋の間では、結構名が通っててよ。

親父の事を知らない奴は、多分いなかったんじゃないかと思う。』



『聖人のお父さんて、そんなに凄い走り屋さんだったんだね。』



聖人の手が―\r


あたしの最後の髪にカラーリング剤を塗り終えた―\r

感想

感想はありません。

「 麻呂 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス