携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> 恋愛 >> 奈央と出会えたから。<134>

奈央と出会えたから。<134>

[1014]  麻呂  2008-04-19投稿

『事故ったんだ―\r



そして―\r



母さんは死んだ―\r



俺を産んだ、



その年の秋―\r



ある肌寒い雨の晩に


―――。』





『‥‥‥‥‥。』





『カーブを曲がり切れなかったんだ―\r


車は―\r


崖の下に転落したそうだ―\r


即死ではなかったと―\r


後から死体を解剖した結果―\r


分かったそうだ―\r



俺‥‥母さんが死んだ時の事―\r


親父の口から聞いた時に思った―\r


母さん―\r


痛かっただろうに―\r

苦しかったろうに―\r

母さんは―\r


救出された時―\r


血まみれで―\r


親父より、はるかに酷い怪我をしていたのに―\r


自分より親父の事を気遣って―\r


親父に向かって―\r


大丈夫‥‥?!


大丈夫‥‥?!って

‥‥‥‥‥


言いながら‥‥‥‥

息を引き取ったって

‥‥‥‥‥‥‥。』





そこまで話すと―\r



聖人は言葉を詰まらせて―\r



後ろを向いた―\r



あたしは―\r



この時、聖人に何と言ってあげたらよかったのか―\r



どうしたらよかったのか―\r



分からなくて―\r



言葉が全然見つけられず―\r



ただ―\r



俯いてしまった自分に―\r



自己嫌悪した―\r





聖人の部屋で―\r



二人きりで過ごした貴重な時間は―\r



あたしのカラーリング剤と―\r



煙草の煙―\r



それと―\r





聖人の涙で―\r



ちょっぴりほろ苦いビターチョコレートの様に―\r



ちょっぴり甘さ控えめに過ぎて行ったんだ‥‥‥‥‥。

感想

感想はありません。

「 麻呂 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス