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過ちの記憶?

[510]  レオン  2008-04-25投稿
男は驚いた様に私を見ていました。

「あの〜、貴方誰ですか?美香は?」

男はそう言うと家の中の様子を伺いました。

何を言ってるんでしょう?
私が美香なのに…。
この男は何かおかしい…。

「私、美香ですが、貴方こそ誰ですか?」

私がこう言うと男はまた驚いた顔をして、私をジロジロ見ました。

嫌だ嫌だ。
その目嫌だ。
そんな目で見るな見るな…。
「あの〜、悪戯ですか?美香の友達?」

男はそう言うと困った顔をしました。

「違います。私が美香です。」

私が真顔でそう答えると、男は何かハッとした顔をして私を押し退けて家の中に上がり込みました。

「美香〜!美香〜!美香〜!」

狂った様に男はそう私の名前を呼びながら、クローゼットの扉を乱暴に開けたりしました。

私は怖くて声も出ませんでした。この男は頭が狂っている。
男が今度は勢い良くバスルームの扉を開いた瞬間、私は見たんです。

バスタブにうずくまる様に詰められた女の死体を…。

その瞬間、
私の記憶がフラッシュバックして昨日の出来事が走馬灯の様に思い浮びました。

暗い道。
私は女をつけて来た。
私の憧れの男と結婚するという、名前も知らない女の後をつけた。
チャイムを鳴らすと女が出て来た。幸せそうな女がそこには居て、私は劣等感と喪失感とで変な気持ちで、そのうち怒りになって、気がつくと女は私の手中で息をするのを止めていた…。

私が…
私が殺した。



これが私のお話し出来る全てです。
刑事さん、私は自分が怖いです…。自分が怖い…。

…つづく…

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