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奈央と出会えたから。<138>

[664]  麻呂  2008-04-30投稿
トントントントントントントントン――


『冷蔵庫に何があったっけ。おっ、ベーコンがあった。あと、卵はあるし。』



ジュワッ――――ッカチャカチャカチャカチャ―――――\r



聖人は手際良く、ベーコンと玉葱を炒め始めた。



『チャーハンはさ、フライパンで炒めた方が、パラパラの美味しいチャーハンが出来るんだぜ。』



『へぇ。あたし、いつも中華鍋で作ってた。』



タンタンタンタンタンタンタンタン―――――\r



『普通は中華鍋で作るんだろうけど、俺流チャーハンは、フライパンなのっ!!
フライパンの底に飯を押し付ける様にすんの。

マジで、こっちの方がうめぇんだって。
そして、最後にこれ―\r
昆布茶をサッ‥‥とな。』



『昆布茶も入れるの?!』



聖人ってば大丈夫―?!



『そっ。昆布茶入れたら美味いんだぜ。
はい。出来ました♪』



聖人は、食器棚から2枚のお皿を取り出し、チャーハンを、まぁるく綺麗に、盛り付けてくれた。



ダイニングのテーブルの上に、あたし達は向かい合って座った―\r





『聖人。ありがとう。美味しそう。』



『食ってから言えよ。けど、絶対美味いからな。これ、俺の自信作。』



あたしは聖人の作ってくれたチャーハンを、



スプーンでゆっくりと口元へ運んだ―\r





『お‥‥美味しいっっ‥‥‥!!』



『なっ?!だろ?!昆布茶が決め手かもな?!』



聖人は笑いながら、そう言った―\r





聖人―\r



いつも一人で御飯作って―\r



一人で食べてるのかな―\r



今度は、あたしが作ってあげるね―\r



聖人。今日は、色々とありがとう―\r



あたし―\r



聖人の新しい一面、また見つけたよ―\r



だから今日は、ちょっと嬉しい―\r



また一歩―\r



気持ちが少しだけ近付けた様な―\r



そんな気がしたから‥‥‥‥‥。

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