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俺の通う学校は 第一夜 『門』ノ壱

[461]  弥生  2008-04-30投稿


――――ぴちゃん

蛇口から一滴のしずくが落ちた。

物音に敏感になっていた俺は、悲鳴を上げそうになり、慌てて両手で口をふさいだ。 …うぅ……かっこわる…。

俺は柳川遥架(やながわはるか)。一応いっておくが俺は男だ。

こんな名前だからよく女と間違えられるが、外見は至って普通の男子。髪が少しつんつんしているのが悩みだ。

海清中学校の一年生になって約一か月がたつ。
そして俺は今、その海清中の校舎のある一角で、蛇口から旅立ったしずくの着地音にビビっていたのだ。

何故それだけでこんなにビビるのか。

それは――――

今が夜中の十二時過ぎだからだ。

昼間の学校とは違ってやけに音が響く。

それに、いつもはない心細さがある。

なんで俺がこんな時間に学校にいるんだと思う?

――――前の日の昼休み。

俺達の教室に、変なウワサが流れてきたのだ。

「学校に幽霊が出るんだって」

はぁ?幽霊だぁ? 馬鹿馬鹿しい。
俺は信じなかった。

だが、その時の俺は知らなかった。


俺の平凡な学校生活が終わりを迎えることなど。




『門』ノ弐 へ続く

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