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奈央と出会えたから。<150>

[612]  麻呂  2008-05-21投稿
* * * * * *

公園に着いた。



こんな遅い時間に一人で来たのは初めてだった。



秋が深まりゆく北海道の夜は、朝と晩の気温の差が激しい。


ジャケットを羽織って来たのに、この日の風は、やたら冷たくて、



あたしは思わず、ジャケットのポケットに手を入れた。



辺りを見回すと、道路脇に二台の車が止まっている。



公園の中には、街灯が一本立っているだけで、



全体を照らすには明るさが足りなかったから、



車の中の人まで確認する事が出来ない。


あたしは車の事は全然分からないから、


聖人からのメールに車種の事は書いていなかった。





この二台の車がそうなのかな―\r



あたしが取り敢えず、聖人に公園に着いた事を連絡する為、


メールを打とうとしたその時―\r





『奈央ちゃん!!こっちこっち!!』



背後から、あたしを呼ぶ声がした。



呼ばれた声の方へ振り向くと、



サトル君が笑顔で立っていた。





『サトル君。こんばんは。今夜は、あたしを誘ってくれてありがとう。』



『何言ってんの。一度見てみたいって言ってたじゃん。

さっ、行こっっ!!
先輩二人にも奈央ちゃんを紹介したいしさ。』



『うん‥サトル君、聖人は?!』



『あれ?!変だな。今、俺と一緒に車から降りたはず‥‥。』



サトル君とあたしがそう話していたら―\r




『オッス!!』



聖人があたし達の前に現れ、いつもの様に、あたしの頭をポンッて優しく叩いた。



『聖人!!何処行ってたんだよ?!奈央ちゃんお待ちかねだぜ。』



『ん〜‥‥ちょっとおしっこ。』



『あはは。寒いもんね。』



そんな訳で、あたしは聖人とサトル君、


そして―\r



これから紹介される先輩達と、なんとか合流する事が出来たんだ――

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