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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<26>

[371]  麻呂  2008-05-24投稿
* * * * * *

彼女は何故、こんなにハイテンションなのか―\r



此処はカラオケボックス。



“パーッとやりましょ!!”って、こういう意味だったのか。



彼女は、さっきから、マイクを持ちっ放しだ。



『次〜♪倖田來未♪
“來未”を逆にしたたら“未來”だね!!あはははは!!』


一体何がおかしいのだろう。



全然意味が分からない。



さっき、オーディション会場で披露した、僕の“ひとりあやとり”の方がよっぽど面白い‥‥と思う。



『未來。あたしにカシスオレンジ。』



『まだ飲むの?!もうやめといた方がいいよ。』



『いいじゃん別に。こんなのジュースよジュース。』



今日が十七年ぶりの再会という理由だけで、人はこんなにもハイテンションになれるのだろうか。



確かに目の前の彼女は、僕の初恋の人だ。



そして、彼女の初恋の人も僕だと言ってくれた。



けれど、その彼女に現在、彼氏がいると聞いても尚、



僕の心が舞い上がっているとすれば、



それは、やはり十七年ぶりの再会に対してという事なのだろうか。



それとも、まだ自分にもチャンスはあるという、密かな期待からなのだろうか。


『未來。あたしさっき、“遠い未来から来たんだヨ”って言ったじゃん?

あれね、過去に受けたオーディションでのセリフだったのよね!!ごめんね!!アハハ。』



カシスオレンジのグラスを片手に、彼女は笑った。



『そううなの?!僕はてっきり、その言葉を信じる所だった。
エリカちゃん、やっぱ女優目指してただけあるよ。』



僕も思わず苦笑い。




『ねぇ未來。この後、もう一軒だけ付き合って。』



かなり酔っていると思われる彼女は、



僕の心配を余所にさらりと言った。

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