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禁じられた遊び

[965]  あいじ  2008-06-02投稿

確か婆ちゃんの田舎に行った時だ。
俺がまだ小学生だったような気がする。
山奥の村でまだ電気も通ってなくて勿論スーパーとかコンビニなんて在るわけなくて、畑と山だけが辺り一面に広がっていた。
割りと子供だったせいかすぐに環境に順応して、近所居た同じくらいの年代の姉弟と色々な遊びや悪さをした。
でも一つだけやっちゃいけないことがあった。
『かごめかごめ』って遊びを知っていると思う。
誰も一度は遊んだと思うが、婆ちゃんの田舎では一種のタブーとして定められていた。小さい子供達が集まってやろうものなら近くの年寄りが血相変えて飛びだして来て叱り飛ばすのだった。
だから誰もその歌を歌わないし、遊びもしなかった。
婆ちゃんにそのワケを聞いてもずっと黙ってるだけなのでそのうち俺は興味を無くして別の遊びに精を出した。


それが起こったのは俺が帰る日だった。
午後には父ちゃんが迎えに来る。
そんな事を考えて準備をしているとあの姉弟が遊びに来た。
婆ちゃんが快諾してくれたので、俺は遊び納めのような気分でその二人と出かけた。
その内姉の方が言った。
『ねぇ、“かごめかごめ”やろうよ』
『でもやっちゃっいけないんだろ?』
『バレなきゃいいよ。裏山にお社でやろう、あそこなら大人は入って来ないし』
確かに裏山には古びた神社があってボロボロの鳥居が反り立った姿はどこか不気味なものを感じた。
何故か大人たちはそこに近づくのを嫌っていて、婆ちゃんにも決して行ってはならないと言われていた。


《続》

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