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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<30>

[381]  麻呂  2008-06-05投稿
『未來こそ休んじゃえば?!会社。』



悪戯っぽくそう言って、彼女は笑った。


『僕、一度家に帰るね。もしかしたら遅刻するかもしれないけど、部長に怒鳴られるのは慣れてるし。』



洗面台で顔を洗い、急いで歯を磨く。



『マジで?!スーツだったら、店が開店したら買えばいいじゃん。

その代り、遅刻は免れないけど。』



ベッドの中で寝ていた彼女は、上半身だけ起き上がらせた。


『いや。午後からの会議の資料も、家に持ち帰ってたのを忘れてた。やっぱり帰らないとマズいんだ。』



そうだ。こんな呑気に話している時間は僕には無いのだ。





『未來急いで!!
札幌駅六時十二分発小樽行き、間に合うかもよ!!』



焦っている僕に、彼女は落ち着いて、携帯サイトで電車の時刻を調べてくれた。


『そ、それじゃ、エリカちゃん。

具合が悪いなら無理はしないでね!!

昨日は楽しかった。
僕こそありがとう!!』



慌てているので、言葉がぐちゃぐちゃだった。



『未來!!これ、あたしのアドレスと携番。これに空メールして。また一緒にカラオケ行こうよね!!』



そう言って、彼女は小さなピンクのメモ帳を僕に手渡してくれた。



『あ、ありがとう!!必ずするから!!』



電車に乗り遅れる訳には行かない!!



その後の電車は四十分後だから。



僕は、ホテルの代金を彼女に渡し、



慌ててドアを開け掛けたその時―\r



『未來!!待って!!』



彼女が僕を呼び止める。





『ジーンズのファスナー‥‥開いてるよ。』



最後までカッコ悪い僕。



けれど十七年ぶりにエリカちゃんと再会出来て――



おまけに楽しい時間を過ごせた昨日の事が、



まるで夢のようで――



僕にとって、最高にハッピーな一日だった――

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