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奈央と出会えたから。<168>

[637]  麻呂  2008-06-11投稿
『おい。早く帰らねぇと、この辺一帯住宅街だろ?!ポリ公よく巡回してんだ。早く行くぜ!!』



新谷先輩のその一言で、あたし達は、解散した――





そうそう――



帰りの車の中で、新谷先輩があたしにこんな事を言ってくれたっけ――



『奈央ちゃん。聖人はな、見た目ツッパッてカッコつけてるけど、中身はすげぇイイヤツだから。

俺が保証する。』



『はい。』



あたしが返事をしたとほぼ同時に、



『新谷先輩。もういいっスよ。』



聖人がちょっと、アンニュイな口調で言った。





『おい聖人。さっき、サトルも言ってたけど、お前と奈央ちゃん、

俺もお似合いだと思ってるぜ。』



その言葉が心に強く響いた―\r





ねぇ聖人―\r



あたしね―\r



今夜、新谷先輩がそう言ってくれたコトと、



今夜、今まであたしの知らなかったあなたの世界を見れたコトで、



少しだけ、今までより自信がついた様な気がするの。



今夜のコトは、あたし一生忘れないよ。


この先、何年経っても――



ずっとずっと、忘れるコトなく、あたしの心の引き出しの中にしまっておくね。


シンデレラの魔法は十二時で解けてしまったけれど――



聖人にかけてもらった魔法は、一生解けないって―\r



あたしね、今でもずっと信じてるんだ。


あなたのお陰であたしはココにいる。



あなたと知り合えたからココにいる。



あなたと知り合えたトキからココにいる。



あなたと知り合えたコト―\r



あたしは、ずっとずっと、誇りに思っているよ‥‥‥。

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