星の蒼さは 74
「アポロ…どうして?」
白髪のすらりとした赤い眼の少年は口元に笑みを浮かべて立っていた。
「危ない所だったね、ルナ」
『いつも』のように近づいてきて、アポロは手を差し伸べてきた。
「地球人……全く野蛮で無価値な生物だ」
アキはその手を払いのけ、睨み付けた。
「どうして殺したの!?」
払いのけられた手をそのままにして、アポロは笑いだした。
「構わないだろ?八十億人もいるんだ。社会のダニが三匹も減ったんだから感謝して欲しいくらいさ」
そしてアキのはだけた服を見て言い放った。
「それに、ルナはさっき自分が何をされそうになってたか、わかってる?」
アキは頭から血を噴き出して倒れている三体の屍体を見た。
男達の自分を見る獣の様な目つき。アポロが来ていなかったら間違いなく自分は男達の慰み物になっていただろう。
だとしても、アキは彼のした事が許せなかった。
「だからって!人を殺すなん………」
「僕にはそれしかない」
アキの言葉を遮ってピシャリと言ったアポロの視線が流れ、一瞬彼から寂しさを感じた。
アポロ……そう声をかけようとした時、急に伸びてきた両腕に肩を掴まれ、一瞬後には彼に抱きすくめられていた。
「ルナ、君を迎えに来たよ。一緒に帰ろう」
耳元で囁かれ、首筋を撫でるように触れる吐息に少しでも身を任せそうになった自分に、アキは身震いした。
「は…放して!!」
どん。と突飛ばし、乱れた呼吸を整え、三体の屍体を指差しながら叫んだ。
「こんなの!この人達と何も変わらないわ!」
一瞬、驚いた顔をしたアポロの顔に次に表れたのは憤怒だった。
「どうしてルナは!僕を認めてくれないんだ!!」
頬を張られ、殴られ、蹴倒される。
口内に鉄の味が滲み始めていた。
白髪のすらりとした赤い眼の少年は口元に笑みを浮かべて立っていた。
「危ない所だったね、ルナ」
『いつも』のように近づいてきて、アポロは手を差し伸べてきた。
「地球人……全く野蛮で無価値な生物だ」
アキはその手を払いのけ、睨み付けた。
「どうして殺したの!?」
払いのけられた手をそのままにして、アポロは笑いだした。
「構わないだろ?八十億人もいるんだ。社会のダニが三匹も減ったんだから感謝して欲しいくらいさ」
そしてアキのはだけた服を見て言い放った。
「それに、ルナはさっき自分が何をされそうになってたか、わかってる?」
アキは頭から血を噴き出して倒れている三体の屍体を見た。
男達の自分を見る獣の様な目つき。アポロが来ていなかったら間違いなく自分は男達の慰み物になっていただろう。
だとしても、アキは彼のした事が許せなかった。
「だからって!人を殺すなん………」
「僕にはそれしかない」
アキの言葉を遮ってピシャリと言ったアポロの視線が流れ、一瞬彼から寂しさを感じた。
アポロ……そう声をかけようとした時、急に伸びてきた両腕に肩を掴まれ、一瞬後には彼に抱きすくめられていた。
「ルナ、君を迎えに来たよ。一緒に帰ろう」
耳元で囁かれ、首筋を撫でるように触れる吐息に少しでも身を任せそうになった自分に、アキは身震いした。
「は…放して!!」
どん。と突飛ばし、乱れた呼吸を整え、三体の屍体を指差しながら叫んだ。
「こんなの!この人達と何も変わらないわ!」
一瞬、驚いた顔をしたアポロの顔に次に表れたのは憤怒だった。
「どうしてルナは!僕を認めてくれないんだ!!」
頬を張られ、殴られ、蹴倒される。
口内に鉄の味が滲み始めていた。
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