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親友 4

[592]  レオン  2008-06-16投稿
彼女が渋々と電気のスイッチに手を伸す。



私はどうにかなりそうだった。



カチッ



一瞬、電気の明かりに目が眩んだ。









「……………。」


私は言葉を失った。




目の前に広がっていたのは最悪な光景だったけど、私が考えていた物よりは遥かにマシだった。




おびただしいゴミの山。

紙屑や生ゴミや多分汚物的な物が、フローリング全体に散らばっていて小蠅が飛び交っている。



「何なの?これ…」


私は思わず鼻と口を手で覆った。改めて凄い異臭だ。


「フフフ…。死体でも転がってると思ったでしょ?昨日の傘で刺してって話しは嘘よ。」

彼女はケラケラと笑った。
私は無性に腹が立った。

冗談じゃない。
私がどれだけ心配して此所まで来たと思ってるんだ…。


「ふざけないでよ。」

私はまだ笑っている彼女に、強く言った。

「ごめん。怒らないで。だってあ〜でも言わなきゃ、来て貰えないと思ったのよ。」

「だったら、最初から正直に全部話してよ。私がどれだけ心配したか分かってる?てか、このゴミは何?」

「浮気した彼への仕返しよ。」
彼女はニヤリと笑う。

その笑顔には何かとてつもない邪気がある様に感じた。



「彼が浮気してるってのは本当なの。だから私、何か仕返しがしたくてね…。」

「それでコレなの?」

「そうよ。彼が出張で家を空けてる3日間でやったの。ゴミや犬の糞をその辺から拾ってきてね。大変だったわ〜。」


彼女の行動は、私の理解を遥かに越えていた。
いくら浮気されたからといって、こんな嫌がらせ悪趣味だ。
「彼はいつ帰ってくるの?」

「もうすぐよ。」

「えっ?」

「だから昨日約束したじゃないの!!彼にあの女と別れるように言うって。」

「でも、あれは…」

「お願いよ。私の言葉には彼、聞く耳持たないの。」

「そんなの…」



「そんなの自分達で解決しなよ」そう言う前に、部屋のドアが開く音がした。

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