携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> SF >> Disaster(10)

Disaster(10)

[527]  けん  2008-06-26投稿
松村は感電のせいか体を小刻みに震えさせていたが意識はしっかりとしているようだった。
「あんたらのボスまで伝言が伝わればいいけどな。とりあえず伝えてくれ。あんたらの開けたパンドラがら飛び出した厄災はあんたら自身に降り懸かるぜ。残った希望をDisaster(厄災)が奪いにくるぜってな」
そういうとまばゆい雷光と共に真はその姿を消した。
「くっ…」
松村は痺れが残る身体を無理矢理動かすと内ポケットに入れていた携帯電話を取り出す。
携帯を開いて見たが液晶には何も写らない…、恐らくさっきの電気でショートしてしまったのだろう。
「くそ…新品だったのに…。」
松村は生きているからこそ言える愚痴をこぼしながら鞄の中から緊急防犯用端末のスイッチを押した。

…………………。

「とりあえず宣戦布告は済ませたよ。」
そういいながら真はビルの屋上にやってきた。
ビルの屋上にはレシーバーやら双眼鏡やら探偵か?と疑いたくなるような機具を少し大きめのバッグに直している桑原の姿があった。
「お疲れ様。それよりDisasterって何よ?」
まるで子供の悪戯を諭すかのような笑い顔を浮かべながら桑原は聞いてきた。
「いいだろ?興味本位でパンドラの箱を開けた者には厄災が降り懸かるってね。トンチが効いてるだろ?」
満足げな顔をして桑原に笑い返す。
「ふふふ…そういうのはトンチじゃなくて皮肉っていうのよ。さて撤収しましょうか。」
そういいながら機材一式の詰まったバックをよこしてくる。
「へいへい。」
そういいながらバックを受け取ると桑原に手を差し延べる。
「では…エスコートしましょうか。マダム」
桑原は顔を薄く紅潮させながら
「今はマドモアゼルだけどね。」
そういって手を握り返すと真の横に並ぶ。
「はいはい。なんで照れてんの?」
そういいながら手を触れずに壁にもたれかけていたサーフボード状の金属板を地面に動かす。
「真が変なこと言うからでしょ。」
照れ隠しなのかそっぽを向きながらボードの上に立つ。
「ふーん」
真もボードに立つと電気を流し変形させて桑原の足を固定する。
「桑原さんって…、ショタコン?」
思わず吹き出しそうになりながら
「ばっ!?馬鹿!そんな訳…」
桑原の必死の否定はボードが動き出すと共に悲鳴に変わっていた。

感想

感想はありません。

「 けん 」の携帯小説

SFの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス