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奈央と出会えたから。<172>

[578]  麻呂  2008-06-29投稿
* * * * * *

『聖人とサトルは、ツリーにオーナメントを飾ってね。

その間にあたしと奈央ちゃんがテーブルの上をセッティングするから。』



『ふぇ〜〜〜い。』


ミズホさんの指示に素直に返事をする聖人と――



『ケーキ早く食べたいな♪』



気持ちがちょっぴり急ぎ過ぎのサトル君。



『ミズホさん。シャンパングラスはコレを使ってください。』



『あ、奈央ちゃんありがとう。凄くお洒落なグラスね。

雰囲気出るぅ〜♪』


ミズホさんとあたしは、テーブルセッティング。



あらかじめ買っておいたオーナメントをツリーに飾るのは、聖人とサトル君がするコトになった。



『チッ。仕切り屋ミズホ。』



小さなサンタクロースのオーナメントを握り締めながら、


サトル君が舌打ちした。



『なぁによサトル。何か文句ある?!

い゛〜〜〜っっだ!!』



そのサトル君に向かって、わざと変な顔をするミズホさん。


ミズホさんてば、せっかくのキュートな顔が台無しだよぉ。


『少しは女らしくしろよ。だから男出来ねぇんだぞ!!』


反論するサトル君。


『うるさい!!サトルだって女いないじゃんよ!!』



ミズホさんも負けてはいない。



ひぇっっ‥‥どうしよう‥。益々エキサイトして来ちゃった。





『うるせぇ〜ぞ、お前ら!!

サトル!!ケーキ食わせねぇぞ!!

ミズホもギャーギャー言うな!!

サトルはバカ‥‥なんだからよ‥‥‥ってか?!』



聖人がオーナメントのトナカイさんを飾りながら、笑っている。



『今日はクリスマスなんだからよ‥‥。』



そう一言付け足して、あたしの方をチラリと見た聖人。


少し照れた目をしてた。



『はぁい。分かりましたぁ。』



『馬鹿はねぇだろバカはぁ〜!!』



聖人の一声で、やっと静かになったミズホさんとサトル君。


『お前ら、もうくっ付いとけよ。

マジお似合いだぜ。』



トナカイさんの次は、スノーマンのオーナメントをツリーに飾り付けながら、そう言った聖人。



何時もはケンカばかりしているミズホさんとサトル君だけど――



実はあたしもお似合いなんじゃないかって、ずっと思っていたんだ。

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