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良子…二股の恋?

[589]  ぐうりんぼ  2008-06-29投稿
「真愛さんの言う通りかなよ。私は今でも、拓也の事を慕い続けている」

「愛する気持ちは変わらないってワケね?」

「まあ、そんなところ」

「ふーん、そうっか」

私はココで、ため息付いた。

「でも何だか、情けないって感じ」

「情けない?」

真愛さんからの質問に私は自分への不満をあらわにした。

「拓也の事、忘れようと思ってるんだけど…」

「どうして?」

「だって…、私は拓也の恋人になる事を拒否されたんだし…、彼は彼で、由美と仲直りしているんだから、いつまでも慕い続けるなんて変よね?」

「まあ、荻島さんが言うなら…」

「だから、忘れたいの」

「じゃあ、そうすればイイんじゃない?」

「出来ない」

「出来ないって?」

「忘れようとしているんだけど、忘れられなくて。他の男と交際を始める度に、拓也への思いが強くなってしまうの」

「今まで、他の男との交際が上手くゆかなかったのは…元カレへの執着もあったからなのね?」

「真愛さん、どうしたらイイ?」

「そうねェ、今直ぐにはどうこう出来ないと思うから、2人でゆっくりと考えましょう」

流石の真愛さんも、イイ方法が今直ぐには見つからないようだ。
…と言うより実は、私自身が拓也へ思いが消えない理由を、真愛さんは分かっている。

(荻島さん自身は気付かないかもしれないけど…、アナタと森山拓也は、目に見えない赤い糸で結ばれているのよ)


つづく

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