MIKAZUKI〜カナシキ現実〜
…私には、国籍がありません。
ママはフィリピン出身。出稼ぎに来た日本でパパと知り合い、双方の両親の反対を押し切って同棲。そして妊娠。当然二人は強い絆で結ばれていたはず…
でも…
私が気付いたときには、パパは居ませんでした。写真もなかった。
ママはパパが帰ってくると信じていました。でも、帰ってくるはずはないのです。何故なら…パパは他のフィリピン出身の女性とすぐに結婚していたから。
私が生まれてから、ママの地獄の日々は始まった。
出稼ぎに来ていたママには出産費用を払う余裕はありませんでした。借金をしたママは幼い私をあやしながら懸命に働きました。
ママは2年で借金を返しました。でも、ちょうどその頃…
ママは私から離れて行きました。当然の交通事故。とっさに私を守ったママは体と頭が離れていました…
それから私はママの職場の同僚達に育てられました。当然、国籍のない私は学校へは行かず、店の手伝いをしていました。
そんな感じで15歳の1月…
…君は現れた。
1月のMIKAZUKIの日…
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