携帯小説!(スマートフォン版)

トップページ >> SF >> 星の蒼さは 91

星の蒼さは 91

[486]  金太郎  2008-07-06投稿
世界の中心が崩壊するという未曾有の大惨事。
地球上の全国家が動揺したのは言うまでもない。

何よりも衝撃的だったのはニューヨークという場所にある。

国際連合。

各国の首脳達の議論の場であり、今回の戦争においてもこの国連は各国の連携の場であったのだった。

国連本部はニューヨークにある。
本部も例外なくTheGodOfDayの攻撃を受け、完膚無きまでに破壊された。

不気味な事に、月首都アルテミスの都旗のみは瓦礫の山の上にバサバサと風を受けて翻っていたという。

この出来事は各国にある共通の恐怖を植え付けた。

月は交渉する気が無い。

戦争とはある程度の戦いの後、平和条約なり、停戦条約なり結んで終わるものだ。
だが、国連の破壊は「もはや交渉の余地なし」を暗に示す月の明確な意思の表れでもあった。

月は本気だ。

今まで寝呆けていた各国の首脳達は遂に事態を把握したのだ。

軍備を改めて整える国。

隣国に協力を求める国。

そして………






「アキの容態は?」

「脳波、その他臓器にも以上は無し、外傷も重症とまで言える程のものもなく……全く」

「わからない?」

「はい」

滝川は看護長と共にガラスの向こうのアキを見つめる。

凄まじい火力で月軍を薙ぎ倒し、絶望的状況から自分達を守ってくれたWWのパイロットが我が軍の、しかも卯月ハルとアキであった事は地球軍を大いに驚かせた。

だが、英雄として迎える準備をしていた彼らが最初に聞いた台詞は

「医者を!早く!!」

以来、寝たままのアキと、眠りもせずにそばに寄り添うハルは病室に籠もりきり。

「二人を渡してもらおう」
と、ずかずかやってきたアメリカのナニガシとかいう情報局の連中にもその姿を見てまで二人をしょっぴけるような恥知らずはいなかった。

「ハル、何か食わねえとよ……」

親友、野口二等兵に肩を揺すられても「ああ、今行くよ」と空返事するだけ。

尻が貼りついてしまったかのように円イスから立ち上がろうとしない。

「艦長。よろしいですか?」

足と頭を包帯で巻いた狩野が松葉杖をつきながらやってきた。

「平気なの?」

「リハビリを兼ねて少し歩けと看護師に尻を叩かれまして」

白熱刀を突き刺され半壊した狩野の零はニューヨークの残骸の仲間入りを果たしたが、脱出の際に大怪我をしたのだ。

「吟次に会いました」


感想

感想はありません。

「 金太郎 」の携帯小説

SFの新着携帯小説

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス