携帯小説!(スマートフォン版)

短編

[795]  ゆうこ  2008-07-08投稿
真夜中にふと目覚めて
携帯を見た。

2時半。

中途半端な時間に、はっきりと目が覚めてしまっている。

私は仕方ないから、ネットオークションでもして暇を潰す。

ベッドに寝転んで、隣の夫を起こさないよう、光を隠しながら流行りのジュエリーなんかに目を通す。

その時、唐突に寝室のドアが叩かれた。

トン…トン…トン。

小さいが、はっきりと。
私はぎくりとして身動きできない。



しばらくしてようやく、ゆっくりと携帯の明かりをドアに向けた。


「…なに…誰…」

自分の声が掠れていた。心臓が鳴り響く。
隣にいる夫を起こそうとした時、ドアの向こうから声。

「りんごが落ちた音」

いるはずのない、子供の声。


そしてまた戸が叩かれる
トン…トン…トン。


私はハッとした。

この遊び…

あぶくたった?

「雨が降ってきた音」

抑揚を欠いた声。



待って。

待ってよ…。

この遊びって三回目は…

トン…トン…トン…


「あなた、起きて…」


夫は動かない。


声がする。



「おばけの音」




回るドアノブ。


出て来るのはだあれ?





ほんの少し開いたドアから覗くのは




だあれ…?





真夜中に起きてる人へのオマージュ





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