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奈央と出会えたから。<182>

[652]  麻呂  2008-07-13投稿
『ねぇ‥聖人‥‥。』



『ん‥?』



『実はあたしもプレゼント用意してるんだ。』



『マジで?!』



聖人があたしの顔を覗き込む。



『はいっっ!!これ。あたしからのプレゼントだよっっ!!』


家を出るトキ、こっそり紙袋に隠して持って来たんだ。



ちゃんと自分でクリスマス仕様のラッピングにしたんだよ。


不器用ながらに――


頑張ったんだから――



『奈央からのプレゼント?!本当に?!めっちゃ嬉しいな!!』


聖人は、凄く嬉しそうに、そのラッピングをほどいた。



中から取り出したそれを、聖人はじ〜っと見つめた。





『これって、ハラマキ?!だよな?!』


全体がピンク色で、中心に真っ赤なハートが編み込まれている。



『そうだよ。聖人。よく分かったね。

あたしが編んだの。
聖人は体が弱いから‥‥。体冷やさないように!!』



『これってやっぱ、短ランからはみ出すよな?!』



その自分の姿を想像してか、


聖人は、ぷっと吹き出した。





『あ‥服の中にしてれば分かんないかと思ったんだけど。』


え〜ん。もしかして、ハラマキと言うのは失敗だったかも?!



どうしよう。



クリスマスプレゼントにハラマキなんて。



絶対、変なヤツって思われてるよね。





『ありがと。』



聖人は、そう言って、またあたしをギュッと抱き締めてくれたんだ。



さっきよりもずっと強く――





『奈央。見てみ。雪の結晶って肉眼で見えるんだぜ。』



あたしのコートの袖口に舞い降りた粉雪が、



舞い降りては消え――



また舞い降りては消えて行く――





『神秘的だよな。雪の結晶のカタチって。』



『うん。』





しんしんしんしんしんしんしんしん――


雪が――



降り積もる――





『奈央のハラマキ‥‥暖けぇ。』



『あはは。いつの間に?!もうしてくれてるんだ?!』





嬉しかったんだ――


『ふっ‥ふぇっっ‥‥‥‥。』



『お、おい?!どした?!何で泣くのよ?!』



ただそれだけ――





来年は2人きりで過ごせたらいいな――


大好きなあなたと――

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