星の蒼さは 97
傍らにハルの心地よい〔蒼〕を感じながらも、アキの意識は少し向こうに向いていた。
(だから薬。覚醒剤位あるでしょ?もしアレなら私どもで用意させていただきますが)
(冗談じゃない!)
大声をだしたのは滝川艦長。隣でなだめるのは荒木副艦長。
そして二人に向かって話しているのは、藍お姉ちゃんに違いない。
あんな言い方をしたら怒らすに決まっている。下手な敬語と相まって、彼女は人一倍相手と話すのが苦手だ。
そんなやり方でなくても自分に会いに来るのは簡単なはずだが、面倒事が大好きな彼女はああやって人をおちょくる。
アキは周りを〔見渡して〕みた。
すぐ隣にまばゆいばかりの蒼い光、ハルが自分の手を握りながら寝息を立てている。
ドアの向こうにはじんわりと鈍く輝くいくつかの光、そしてその間を抜けるようにして、ドアを開けることなく一つの藍色の光が入ってくる。
眩しッ!!何よ?こいつの〔色〕!
色は形を成して藍の姿になった。
久しぶり、お姉ちゃん
ん、元気みたいね
うん。
今、居眠りをしているが、起きているとしても当然ハルにはこのやりとりは全く見えない。
せっせと汗を拭いたりアキの世話に働いてくれた彼の手前、和気藹々とお喋りをするのも悪い気がするが、身体の方は動かないのだからしかたがない。
これが好み?
ベッドに腰掛け、うつ伏して眠るハルの頭をこづいて藍は笑った。
そんなんじゃ…!
あら、嫌?じゃあ、私がもらっちゃおうか?
ハルの首筋を人差し指で優しく撫でて、藍がハルの耳元で囁く。
もちろんハルには触れられないが、ハルの肩がピクンと揺れた気がしてアキは慌てて引き離した。
冗談、相変わらず可愛いわね
バカ!
それに、こいつはあなたにしか合わない。あなたが選んだ〔色〕だから
赤く膨れたアキの頬に触れて今度はアキの耳元で囁く。
それにしても無理したわね。あの子の〔色〕は半端じゃなかったでしょう。
アキが受け入れた途方もないアポロの怒り。
全ての色に染まる〔純白〕はアポロの濁り、煮詰まった血のような〔赤〕を余すことなく吸い尽くした。
その反動は余りに大きく、アキはこの色を浄化するまでの間、ほぼ全ての生命器官を停止しなければならなかったのだ。
なぜこんな事に?
アキは心のカサブタをそっと剥がしてみた。
(だから薬。覚醒剤位あるでしょ?もしアレなら私どもで用意させていただきますが)
(冗談じゃない!)
大声をだしたのは滝川艦長。隣でなだめるのは荒木副艦長。
そして二人に向かって話しているのは、藍お姉ちゃんに違いない。
あんな言い方をしたら怒らすに決まっている。下手な敬語と相まって、彼女は人一倍相手と話すのが苦手だ。
そんなやり方でなくても自分に会いに来るのは簡単なはずだが、面倒事が大好きな彼女はああやって人をおちょくる。
アキは周りを〔見渡して〕みた。
すぐ隣にまばゆいばかりの蒼い光、ハルが自分の手を握りながら寝息を立てている。
ドアの向こうにはじんわりと鈍く輝くいくつかの光、そしてその間を抜けるようにして、ドアを開けることなく一つの藍色の光が入ってくる。
眩しッ!!何よ?こいつの〔色〕!
色は形を成して藍の姿になった。
久しぶり、お姉ちゃん
ん、元気みたいね
うん。
今、居眠りをしているが、起きているとしても当然ハルにはこのやりとりは全く見えない。
せっせと汗を拭いたりアキの世話に働いてくれた彼の手前、和気藹々とお喋りをするのも悪い気がするが、身体の方は動かないのだからしかたがない。
これが好み?
ベッドに腰掛け、うつ伏して眠るハルの頭をこづいて藍は笑った。
そんなんじゃ…!
あら、嫌?じゃあ、私がもらっちゃおうか?
ハルの首筋を人差し指で優しく撫でて、藍がハルの耳元で囁く。
もちろんハルには触れられないが、ハルの肩がピクンと揺れた気がしてアキは慌てて引き離した。
冗談、相変わらず可愛いわね
バカ!
それに、こいつはあなたにしか合わない。あなたが選んだ〔色〕だから
赤く膨れたアキの頬に触れて今度はアキの耳元で囁く。
それにしても無理したわね。あの子の〔色〕は半端じゃなかったでしょう。
アキが受け入れた途方もないアポロの怒り。
全ての色に染まる〔純白〕はアポロの濁り、煮詰まった血のような〔赤〕を余すことなく吸い尽くした。
その反動は余りに大きく、アキはこの色を浄化するまでの間、ほぼ全ての生命器官を停止しなければならなかったのだ。
なぜこんな事に?
アキは心のカサブタをそっと剥がしてみた。
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