航宙機動部隊前史後編・12
火星を制すれば、地球は手に入れたも同然である。
ガニバサは同年第四期七七日(修正太陽暦一二月一七日)に反転攻勢に移り、ギャームリーグ主力の守るアステロイド帯に後方から襲いかかった。
凄惨かつ激烈な戦闘の末、降伏を拒否したホーゼン戦闘幕僚長は、残存部隊と共に自爆の道を選んだ。
こうして太陽系は解放された。
第四期八六日(修正太陽暦一二月二六日)の事であり、一日遅れの《クリスマスプレゼント》であった。
《太陽系の救世主》となったガニバサは絶大なカリスマ性を与えられ、更に翌年始めに宗教界から《聖別》された事によって、それは一層強化された。
この時点以降、フリースユニオン軍内で彼を抑えられる存在は事実上居なくなった。
そして年が開け、いよいよガニバサはギャームリーグ三宙邦本国侵攻作戦の前倒しを主張した。
本来なら銀河元号一五四三年初頭とされていた作戦開始時期を大幅に繰り上げ、年内第三期(修正太陽暦七月)までに準備を完了すると言うのが、ガニバサの考えであった。
渋る慎重派を黙らせる為、ガニバサは又しても《成果》を積み上げるべく、中央域戦線に出撃した。
ほぼ独断の出撃で、本来ならば職権剥奪物の軍令違反であったが、彼無くして勝てないフリースユニオン陣営は、黙認する外は無かった。
三個艦隊を率いたガニバサは、ギャームリーグ第四機動部隊を手玉に取り、二千隻の損害を与え、サハ660星系を解放した。
そして、既に物量で劣勢に立たされて来ていたギャームリーグが送り込んだ超弩級戦艦《クレオンプトロス》の情報に接した。
太陽系攻防戦で明らかな脅威となったガニバサとネオフリートを倒す為のそれは刺客だった。
一五四一年第一期四0日(修正太陽暦二月一0日)、ガニバサは旗艦を囮にして《クレオンプトロス》を誘い出し、自らは護衛艦群に潜んで機会を待った。
約三千隻を率いて出現した《クレオンプトロス》に対して混戦に持ち込んだガニバサは、三隻のトゥルーパーシップで《クレオンプトロス》に乗り込み、白兵戦でこの艦を奪取する事に成功した。
全長三九二0M・一G下排水量六二00万t・亜光速実弾砲一二門を搭載する史上最大の戦艦を手に入れたガニバサは、これを《ソンジャタ=ケイサ》と改称し、新たな旗艦にする。
《ソンジャタ=ケイサ》は終生彼と共にあった。
ガニバサは同年第四期七七日(修正太陽暦一二月一七日)に反転攻勢に移り、ギャームリーグ主力の守るアステロイド帯に後方から襲いかかった。
凄惨かつ激烈な戦闘の末、降伏を拒否したホーゼン戦闘幕僚長は、残存部隊と共に自爆の道を選んだ。
こうして太陽系は解放された。
第四期八六日(修正太陽暦一二月二六日)の事であり、一日遅れの《クリスマスプレゼント》であった。
《太陽系の救世主》となったガニバサは絶大なカリスマ性を与えられ、更に翌年始めに宗教界から《聖別》された事によって、それは一層強化された。
この時点以降、フリースユニオン軍内で彼を抑えられる存在は事実上居なくなった。
そして年が開け、いよいよガニバサはギャームリーグ三宙邦本国侵攻作戦の前倒しを主張した。
本来なら銀河元号一五四三年初頭とされていた作戦開始時期を大幅に繰り上げ、年内第三期(修正太陽暦七月)までに準備を完了すると言うのが、ガニバサの考えであった。
渋る慎重派を黙らせる為、ガニバサは又しても《成果》を積み上げるべく、中央域戦線に出撃した。
ほぼ独断の出撃で、本来ならば職権剥奪物の軍令違反であったが、彼無くして勝てないフリースユニオン陣営は、黙認する外は無かった。
三個艦隊を率いたガニバサは、ギャームリーグ第四機動部隊を手玉に取り、二千隻の損害を与え、サハ660星系を解放した。
そして、既に物量で劣勢に立たされて来ていたギャームリーグが送り込んだ超弩級戦艦《クレオンプトロス》の情報に接した。
太陽系攻防戦で明らかな脅威となったガニバサとネオフリートを倒す為のそれは刺客だった。
一五四一年第一期四0日(修正太陽暦二月一0日)、ガニバサは旗艦を囮にして《クレオンプトロス》を誘い出し、自らは護衛艦群に潜んで機会を待った。
約三千隻を率いて出現した《クレオンプトロス》に対して混戦に持ち込んだガニバサは、三隻のトゥルーパーシップで《クレオンプトロス》に乗り込み、白兵戦でこの艦を奪取する事に成功した。
全長三九二0M・一G下排水量六二00万t・亜光速実弾砲一二門を搭載する史上最大の戦艦を手に入れたガニバサは、これを《ソンジャタ=ケイサ》と改称し、新たな旗艦にする。
《ソンジャタ=ケイサ》は終生彼と共にあった。
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