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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<51>

[354]  麻呂  2008-07-25投稿
『えっ‥‥???』

一瞬、トキが止まったかの様に、


僕と彼女は見つめ合ってしまった。


彼女は驚いている僕の顔を、


ただ、黙って見つめているだけだった。

まるで、今の一言に対しての僕の出方を窺っているかの様だ。



『こちら、海老のバジル風味でございます。』



僕達と変わらない年代に見えるウエイトレスは、


少し申し訳なさそうに、テーブルの上に料理を置いた。



『びっくりした?!』



先に彼女の方から口を開いた。



『うん。少し。』



少しどころか、内心かなり驚いていた。


何で?!



彼女と“ちんちくりんのハゲオヤジ”との間に一体何があったのか?!



聞いてみようか?!


いや‥‥‥。



好きな男と別れたばかりで傷心の女のコの心の中に、



部外者の僕が土足で入り込む隙は無い。




『‥‥‥き‥‥っ‥んだ‥‥‥。』



彼女の言葉が――



『えっ?!』



旨く聞き取れなかった――



次の瞬間――



『好きになってたんだ‥‥‥。』



彼女の目から――



大粒の涙がポロポロこぼれ落ちた――



小学校一年生のトキから、気の強い女のコだった彼女は――


多分、今も気の強い女のコ――



そんな彼女をこんなにまで悲しませ、傷付けたヤツをは許せない――





『ぐしゅっ。ち――ん。ご、ごめっ。何か悔し涙出ちゃって‥‥。』



『エリカちゃん。僕は、こんなダサイ男で、エリカちゃんが辛い思いをしていても、気の利いた事ひとつ言えないけれど、話を聞いてあげる事なら出来るからさ。』



『ありがとう。未來。』



彼女の一瞬の笑顔を見れたから、



僕は、少しだけホッとした。

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