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人造人間

[721]  黒風呂  2008-07-25投稿
私は研究者です。
男たった1人で研究をしています。
人造人間の研究です。
私には母はいません。私が生まれてすぐに死んだと父はいいました。
私が研究の内容を父に話したのとき父の顔は真っ青になりました。
何故だかはわかりません。
『いずれわかる』と言い残し、父はその年に自殺しました。
理由はわからずじまいです。

私は研究をつづけました。
人間のように人間らしく生きれる人造人間の開発です。
そしてそれは完成しました。
私は自分の遺伝子を人造人間に流しました。私しかいないのだからしかたがありません。
私はもう30歳をこえていました。ちょうどいいので、できた人造人間を息子ということにしました。人造人間の彼は人並みに成長し、ある日こんなことを聞いてきました。
『僕にママはいないの?』
私は彼に、お前が生まれてすぐに死んだんだ。と伝えました。
彼が18になったときのことです。
彼は私に話したいことがあると言いました。
『僕は人造人間の研究をしているんです』
と。
私は嫌な予感がしました。
私の父は。いや。祖父も。先祖も。
ずっと同じことをしてきたのだとしたら。
同じ遺伝子。

私は自分が人造人間であると思い始めた日から、生きていることが嫌になりました。
私はその年に自殺したのです。
息子には
『いずれわかる』
と伝えて。

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