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ソードメーカー10―?

[473]  いっと  2008-07-27投稿
そうです。しかし、その問いに対する明確な回答は出来ません。これは貴方自身が見つけなくてはなりませんから。

「僕自身…ですか?」

貴方は私の声が聞こえました。素質はあるのでしょう。ただ、貴方自身がそれを放棄しているのです。

「放棄…?」

貴方の心の奥には、自身の創ったソードに対する恐れと、怒りがあります。

「!」
ロイはその言葉に、思わず絶句した。

それが何に起因しているのか、私には分かりませんが、貴方には分かるはずです。それを乗り越えない限り、貴方は誰かを守る事は出来ません。

「…」
ロイはぎゅっと唇を噛み締め、拳を震わせた。

一つ、ヒントを差し上げましょう。貴方一人の力では、何もできません。ただし、貴方が全てを解放し、力を求めるなら、きっと応えてくれるはずです。

「…」

さて…ここまでにしておきましょうか。もうすぐ夜が明けます。帰られた方がいいでしょう。

「あの…一つ、よろしいですか?」
ロイは顔を上げて、苦しみに耐えるような表情で剣を見た。

何でしょうか?

「僕の剣は、まだ、僕に声を掛けているのでしょうか?」

もちろんです。貴方はその剣にとってたった一人のマスターなのですから。

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