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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<59>

[406]  麻呂  2008-07-30投稿

『未來、空見て!!凄い星がいっぱい!!』


ふと立ち止まり、彼女にそう言われて空を仰ぐと、本当に今日は星がハッキリ見える夜だった。



『未來、あれが夏の大三角形で、天の川はその間を流れているのよ。』



『天の川?!見えないよ?!何処に?!』



『んもうっ!!全然ロマンチックじゃないのね!!でもあそこに天の川があるのよ!!』


久々に、気の強い彼女を見た。


傷心の彼女が、少し元気を取り戻してくれたのかな。


そう思ったら、僕はやっぱり嬉しくなった。



『あたし、織姫と彦星の話じゃないけど、未來となかなか会えなくなるの。』


慌てて彼女の横顔を見たら、それはふざけて言っているんじゃないって分かった。



『な‥‥どうして?!』


声が少し上擦った。


『未來と十七年振りに再会する少し前に受けていた、ある劇団の“劇団員募集”のオーディションに受かったんだ。』



『うん。』



『結構有名な劇団だから、研修生として入るのも、なかなか難しいの。だから受かったと聞いてあたしもビックリよ。』


『へぇ。よかったじゃん。』



よかったじゃん――


そう言った後の僕の顔は、きっと引きつっていたと思う。


暗くて僕の横に立つ彼女には見えていなかったと思うけれど。



『なるべく早く行こうと思う。』



『場所は何処なの?!』



『東京よ。』



彼女の夢を叶えるには、僕はどうすればいい?!


何か出来る事はある?!


今日は星がハッキリと見える夜だから、

流れ星でも待つ事にする?!



傷心の彼女は、もう心の傷が癒えたかな?!


それには僕は必要なかったね?!


僕は君に何もしてあげられないの?!


最高の友達としてさえも、何も協力出来ないの?!

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