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エリザベスドール(13)

[676]  ぐうりんぼ  2008-08-02投稿
「やれやれ、マイッタ」

ため息付くルーク。

気の荒いディックに執拗に問い詰められ、ホトホト参っていた。

女の子に礼を言う。

「ありがとう、助けてくれて」

「礼なんて、イイわよ」

「確か君は…、隣りのクラスの」

「私の名前は“シェリー・ハイバー”。
アンタ…、ルーク・ハリーって言うんでしょう?しかも、キャサリン・ロバーツの恋人」

「え? 僕の事、知ってるの?」

「キャサリンから聞いたから。私、あのコとは親友なの」

「ヘェ、そうなんだ」

「ルークも、とんだ災難ね。被害者と最後までいたからと言って、犯人扱いされるなんて」

「仕方ないよ、あの2人…元々、僕とは折り合いが悪いんだし」

「ジミーも確か、そう言ってたわね」

「ジミーを知ってるの?」

「彼とは、恋人同士よ」

「ヘェ、それは知らなかった」

「みんなには、秘密にしているんだけどね」

「ジミーが死んだから、ショック受けているだろう?」

「まあね」

「なあんか、僕が犯人扱いされちゃっているけどね」

「でもアンタはやっていない。…そうでしょう?」

「勿論だよ。でもディックもティムも、僕が犯人だと決め付けている」

「私は信じているわよ。アンタはやっていない事を」

「ありがとう。そう思ってくれて、嬉しいよ」

ルークがこう言うと、シェリーは微笑んだ。

笑顔がサイコーである。

そんなさわやかなシェリーにも、ルークは本当の事は話さなかった。

やはり、人形が動くところを見せないと…状況は理解出来ないからだ。

コレからどうしたらイイのだろう?

考えた末、ルークはアースルに会って、事情を話す事を決めた。

 ────────

誰もいない夜道をトボトボと歩くエリザベス。

街角に建つ公衆電話ボックスを見つけ、ドアを開けて中へと入った。

備え付けの収納ケースに入っている電話帳を取り出すと、ゆっくりとページをめくり始めた。

見つけたのは、或るページに載っている個人宅の電話番号と住所である。

エリザベスは目を付けた箇所に手を当てた。

「キャサリン…ロバーツ…」


つづく

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