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僕は君の未来を永遠(トワ)に。<69>

[420]  麻呂  2008-08-05投稿

最後まで読み終えた時、ずっと助手席のドアを開けずに外に立っていたと思われる彼女が、


わざと今来たばかりという風に、助手席に乗り込んだ。



『あは。未來。読んでくれたんだね。』


彼女はジュースホルダーに缶コーヒー2本を置き、スケジュール帳に、ユキちゃんの手紙を大事そうに挟み込んだ。



『“おんなとおんなのやくそく”だったんだね。』



『あたし‥今日、このユキちゃんの手紙を、こうして持って来たのは、未來に見せる為だったのよ。』



『本当に?!』



『うん。本当よ。あたし昨日ユキちゃんに会ったの。

その時にユキちゃんの許可をちゃんと得たわよ。』



そう言えば、ここの所僕はユキちゃんに会っていなかった。


この1年間、退院して元気になったユキちゃんと何度か会ってはいたが、


エリカちゃんは、現在住んでるアパートからユキちゃん家が同じ札幌市内という事もあり、


僕よりも何度か多くユキちゃんと会っていた。



『でもさ、エリカちゃんにだけ教えてくれたユキちゃんの“能力”の秘密を、どうして今更、僕に教えてもいいなんて言ったのかな。』



『うふふ。そうよね。』



『別に僕は、知っていても、知らなくても、エリカちゃんへの思いは、ずっと変わらないけど。』



『ユキちゃんね、もう“ぜんせ”が見れなくなったんだって。』



『えっ?!どうして?!』



僕はエリカちゃんの言葉に当惑してしまった。


だって、たった今手紙を読んで知ったばかりのユキちゃんの“不思議な能力”が、


今のエリカちゃんの話では、“もう使えなくなった”というのだから。



『ユキちゃん‥女の子になってから“不思議な能力”が使えなくなったんだって。』



『女の子になったって?!ユキちゃんは元々女の子じゃん。』



『んもうっっ!!未來の鈍感!!もういいわ!!』



何故か、助手席の彼女は拗ねてしまった。



う〜〜ん。やっぱり僕には女のコってよく分からない。

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