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奈央と出会えたから。<189>

[611]  麻呂  2008-08-09投稿

大晦日の過ごし方については、特に聖人と話していなかった。



あたしは毎年大晦日は家で静かに過ごしていた。



今年の初詣は、年が明けて直ぐに、母と2人で近くの神社までお参りに行ったっけ。



お賽銭を投げて、小学校生活最後のお願い事をしたのを覚えている。



―お母さんとあたしにとって、今年も良い年であります様に――



って。



来年は多分、お母さんが忙しいし、行けないかもなぁ。





ブー‥ブー‥ブー‥‥。



その時、あたしのマナーモードの携帯が鳴り響いた。



《奈央。何してた?》



あは。やっぱ聖人からだ。



《大掃除してた。聖人は?!》



あたしも直ぐに返信。



《俺?!親父の酒の相手。親父はもう正月休みで、家にいるからよ。》



ひぇっっ。



お酒の相手って。



こんな昼間から?!


まさか聖人まで、飲んでるなんて言わないわよね?!



《聖人も飲んでるの?!》



《まさか。んな飲んでねぇよ。アホかっっ!!》



《あは。そうだよね。》



《うちの親父に奈央のコト話したらよ、今度会わせろって言うんだよな。》



聖人のお父さん‥‥が?!



あたしに会いたいって‥‥言ってくれてる?!



聖人のお父さんて、どんな人だろ。



元走り屋だって言ってたわよね。



怖そうな人なのかな。



《うん。じゃあ今度‥‥聖人のお父さんに、あたしを紹介してくださいっっ。》


ドキドキドキドキ‥‥‥。



こんなメールのやり取りだけの筈なのに――



“ドキドキ”が少しずつ、大きくなってくる。





《じゃあ 今日は???俺ん家来ない?!》

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