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違う世界

[679]  未熟  2008-08-11投稿
夜遅く、一人で歩いてた。
ふらふらと。
気分は最悪だった。
死のうか?
それもいいかもな。
ちくしょう。
そんな度胸もないくせに、なにが死のうだ。
自傷ぎみに笑いながら、自分の家に帰る。
電気もつけずに、ベッドに横になる。
そして、目を閉じた。
そして、眠りについてしまった。
自分の空しさを、弱さを、そして、最低さを思いながら。



「う〜ん。」
朝日が顔にあたり、目を覚ました。
昨日はカーテンも締めずに寝たのか。
こんなときでも人間は寝れるんだな。
ああ、そうだ。
昨日の事件のことで警察に行かなきゃいけないんだった。
一緒に俺も逮捕してくれたらいいのに。
俺みたいなただのチンピラはそんな価値もないか。
服を着替え、ゆっくりと家の扉を開けた。
「―――っ!」
信じられない。
信じたくない。
こんな、こんなことって!
ガツガツガツ。
なにかを食っている。
ガツガツガツ。
なにかが食っている。
ガツガツガツ。
それは人ではないのか?
ガツガツガツ。
お前はなんなんだ?
扉の外は地獄だった。
大きさは2mぐらいだろうか。
体は熊のようで、顔は蛇のようだった。
それが人間を食っている。
なんなんだよ、この光景は!?
夢なのか?
俺はまだ起きてないのか?
ビチャ
俺の顔に温かくて赤い液体がかかった。
感覚がある。
現実だ。
逃げたかった。
しかし、逃げられなかった。
怖くて、恐怖で足がうごかないから。
恐怖で目を逸らすこともできない。
だから、俺は化物の食事を見ているしかなかった。
「おぇぇぇぇ。」
その光景に堪えきれず嘔吐した。
その音に反応したのか、食事が終わったからなのかわからないが、化物が顔を俺のほうに向ける。
そして―――\r
「ガーーー!」
俺に飛び掛かってきた。
死ぬ。
殺される。
あれみたいに食われる。
嫌だ。イヤだ。イヤダ。いやだ。
そんなことを思っても、けして体は動かない。
まるで地面に足を縫い付けられたようだ。
たとえ動けたとしてもこいつから逃げきれる気はしない。
俺はここで―――\r
パン!
銃声と共に、俺に襲いかかってきたなにかが横に吹っ飛ぶ。
しかし、たいした傷もないようで、すぐに立ち上がった。

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