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エリザベスドール(26)

[627]  ぐうりんぼ  2008-08-17投稿
─逃げるしかねえッ!─

ディックはタイミングを見計らって大扉の方へダッシュした。

…だが、サッとエリザベスに行く手を阻まれてしまった。

ディックは思わず足がすくんでしまう。

「て、テメェ!」

「ルークヘノ、ボウリョク…、ユルサナイ」

エリザベスはディックに飛び掛かろうとした。

…がッ!

バターン!

執事のモレノが大扉を蹴り開けて入って来た!

「フレデリカお嬢様!」

「!?」

振り返ったエリザベスは、モレノと目が合った。

足を止めるモレノ。

「誰だお前は!?」

メイド嬢が悲鳴を上げる。

危険を感じたエリザベスは慌てて窓から飛び出して行った。

フレデリカは血だらけになって倒れ、ディックは大扉の近くに座り込んでいた。

 ────────

夜遅く…、

ルークはモグレ警部からの緊急要請でタクシー拾って18分署を訪れた。

フレデリカが自宅で殺害されたと警部から聞かされてビックリ!

犯行時間は20時36分頃。

自分が邸宅を後にした時間帯と知ってショックを受けた。

しかも犯人は…、

「君が言っていたエリザベスと言う人形だよ」と警部。

「エリザベスが…、まさか!?」

「本当だよ。目撃者もいるしね。どうやら、人形の姿をした得体のしれない何かが存在しているのは…本当のようだね」

「じゃあ…、ジミーを殺し、キャサリンを殺そうとした犯人も…」

「同一犯である事は、間違いないだろう」

「僕が話した事、やっと信じてくれるんですねェ」

「100?信じてるワケじゃないんだよ。
常識では有り得ない事だからね。やはり…自分の目で確かめてみないと、何とも理解出来ない」

「そうですね。でもどうして、エリザベスはフレデリカを…」

「キャサリン・ロバーツの時と同じ動機みたいだね」



つづく

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