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不幸な復活3〜完璧な殺人犯〜

[880]  hiro  2008-08-17投稿
頭の中を整理するために、トオルは、二階にある自分の部屋に入った。
「前とはほとんど変わってないみたいだなあ」
と、まわりを見渡すと、トオルは悲鳴を上げてしまいそうになった。
「俺は、銃なんて持ってなかったはずだ!」
机には、小型の銃が置かれていた。
一度、椅子に座って、頭を整理することにした。
「確か、殺したなんて言ってたなあ。」
まさか、とトオルはピンときた。
「そうか、さっきアキコたちが話していたのは、全部、俺のことだったんだ!」
自分のことを言われているだなんて、思いもしなかった。
怒りが込み上げてくる。
「やっぱりあの男はアキコの新しい夫なんだ。あいつと一緒になるために、俺を…。」
そこで、トオルは、自分が殺された時の光景を、やっと思い出した。

小型の銃で、アキコが俺を…。

気付いたら、トオルは机の上の銃を持ってリビングに立っていた。
四人全員が、こっちを見て驚いている。
「本当は、こんなふうに驚かせるつもりじゃなかったのに…。」
トオルは憎いと思う順に、ためらいもなく殺していった。
その時のトオルには、悲鳴も銃声も耳に入らなかった。

それからトオルは、さっきまでいた病院の霊安室に戻って、最期にこう言った。
「あいつらを殺した犯人が霊安室にいるなんて、誰も思わないだろうな。」
と、悲しそうな顔で、永遠の眠りについた。
ー終りー

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