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スケアクロウ 4

[492]  KARASU  2008-08-24投稿
「私はイザナミ。アンタの名前は?名前じゃないとしっくり来なくてね」
「ハル。別にどう呼んでも構わないけど」
「ははっ!ハル坊、よく言うじゃないか。ぶっきらぼうな奴。面白い」
「ふん、そう」
僕との会話にくすくすと小さく笑っていたイザナミは、急に真面目な顔になり、ピッチの低い声で僕に問い詰める。
「で、ハル、あんたはどうして私達の射爆場にいたんだ?なぜあんななにもない場所に突然出て来た?答えろよ、地球種の人間だろう?」
「地球種の人間は関係ないと思うし、僕の記憶が正しいなら、僕は地球で生まれた筈だ。なんであんな所にいたのかは解らない。気付いたらいたんだ」
「は?地球生まれだって?私達のご先祖様だって、地球から何世代もかけてこの太陽系にたどり着いたんだ。なぜだかよく解らなくて、気付いたらいただって?冗談はよしな」
「なぜ冗談だと一緒くたにする?その証拠はあなたたちのセンサーにあるはずだ。突然僕の反応が出たんだろ?僕にも解らないけど、やっぱり僕は地球から来たんだ」
イザナミは少し黙り込んで、少し考えるそぶりをみせた。
「確かに。アンタは突然現れた。だが、それが地球から来たという証拠にはならないね。ただ、アンタが突然私のシマに現れた、全くのよそ者だというのは認めよう」
イザナミはさっきみたいに、軽いピッチで喋っていた。
「なら、それでいい。その方が気楽だ」
「ところで、ハル。あんた行くあてはあるのか?政府は今戦争やらかしてるし、そもそもこのあたりには何もない。どうだ、私達についてくる気はないかい?」
「別に僕は構わないけどさ、何で誘うんだ」
「地球種の人間には利用価値がある。それに、いるだけで縁起がいい」

イザナミは、心底楽しそうに言った。

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