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信じたい―比較―

[505]  ぱいん  2008-08-25投稿
リリリ…
朝の目覚まし時計が鳴って、目が覚めた。
(はぁ‥朝かぁ)
泣いたから学校に行きたくなかった結衣。重い体を起こして学校に行った。

「みんな、おはよー」
『おはよぉ』
席についた。窓側だった結衣は、外を眺めていた。
「結衣、佳奈が呼んでるよ」
「え?」
廊下を見ると、手招きしてる佳奈がいた。
「今、行く」
と言って佳奈のところに向かった。
「目赤いじゃん。なんか‥あった?」
「な、なんでもないよ」否定した。
「なら、いいよ」
みんなのとこに行って、他愛ない話で盛り上がった。でも、心から笑ってない自分がいた。

キーンコーンカーンコーン

みんな自分のクラスに入って行った。授業中ボーっとしてるから、何度も先生にあてられた。
「結衣、今日どーした?」
小百合に言われた。
「どうもしてないんだけどねっ」
笑ってたけど、顔が引きってたと思う。
「そこっ!喋らない」
結衣と小百合は怒られた。

キーンコーンカーンコーン

授業がやっと終わった。


「さようなら〜」
『さようなら〜』
みんなは、さっさと帰って行った。文化部と係の人は、文化祭の準備で忙しかった。

「おい、チビ」
「なんよ、サル」
結衣とユタは、また言い合いしていた。
「仲がいいなぁ〜」
『どこがっ』
2人の声は一致した。

楽しい時間も終わって、直と帰る時間がやってきた。
「仲よく帰れよー」
佳奈が言ってくるから困った。
(好きじゃないのに‥)直といると足取りが、重くなってくる。


直と結城は100パーセント違う。外見もそうだけど。何かが違う。直といると気を使う。何か喋らないと‥って思う。

すぐに結城と比べてしまう。顔も結城がいい。背の高さも結城がいい。手も‥喋り方も‥声も‥仕草も‥すべて結城がいい。


結衣にとって結城の存在は、すごく大きくなっていた。

結局、気づいたら自分から結城にメールしていた。

結城がいないと駄目なんだなぁ…

メールしてても、結城が遠い人に感じた。だから、すぐ悲しくなる。

でも、心のどこかで喜んでいる。

ほんと、結城に弱いな‥

また付き合えたらどんなに幸せなんだろ。

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