4の呼吸 3-4
小野寺親子が話しを盗み聞きしている男子達に驚いているのを見た教頭は直ぐさま、
「あなたたち何しているんです!今は授業時間中でしょう!」
と怒鳴り付けた。そして、大変申し訳ありませんと親子に謝罪した。
「別に大丈夫です。子供のやったことですから。」
と由美も場を和ますために平然を振る舞い、楓も既に落ち着いて笑顔になっていた。
教頭は由美の振る舞いにも感服したが、それよりも楓の表情の切り替えの早さにどこか育ちのよさを感じていた。それも全て親の教育なのだろうと悟った。
そして、教頭が気にしないで下さいと小野寺親子を話の席に戻している時、また奥から怒鳴り声が聞こえた。
「こら!あんた達、こんなところいたのね。早く教室に戻りなさい!」
その声は大人の女性のものだったので、きっと三人を授業に連れ戻しに来た担任の教員だとすぐわかった。
これに安心した教頭は扉を静かに閉め、それでは・・・・という言葉に続けて、小野寺親子への説明を再開した。
『4の呼吸』シリーズを始めから読みたい人は“SABLA”で検索し直してください。お手数をおかけします。
感想
感想はありません。