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違う世界(3)

[575]  未熟  2008-09-08投稿
大量の血、腕の無くなった人、その人の腕を食う化物。
その光景に俺は、ついに立っていられなくなった。
地面に崩れ落ちると共に失禁してしまう。
そんな俺を無視し、一人が腕を食われた人のもとへ駆け寄ろうとする。
しかしそれを、
「かまうな! 命があるだけまだいい! 戦闘に戻れ!」
リーダーのような男が止めた。
「了解!」
助けにいこうとした人は、その指示をうけ、元の配置につき、攻撃に戻る。
マジかよ。
あれがまだいいはずなんてないだろう。
あのまんまだと死んじまうぞ。
仲間なんだろ。
なんで見捨てるような・・・・・・



―――「やめろ!」



そうだ。
俺にそんなこと思う資格はない。
俺だって・・・・・・
そんなことを考えていると、後衛の人達が手のひらだいのなにかを両手に持ち始め、
「手榴弾てぃ!」
指示と共に投げた。
あれが手榴弾・・・・・・
これも初めて見る。
手榴弾と化物に向けられる銃弾。
そして手榴弾が爆発した。
煙があがる。
そんな状況でも撃ち続ける兵士。
あんなんで何発の弾が当たるんだよ。
無駄に思える。
しかし、それ以上にそうまでしなければ危険であるというのもわかる。
そして、煙がはれた。
そこには表面が黒くやけた化物の死骸があった。
それを見るなり、喜ぶ間も無く、
「医療班、ヤツを診てやれ。」
「了解。」
何人かの人間が腕を無くした人のもとへいく。
「いてぇぇぇぇぇ!」
そして、なにかをしている。
それを茫然とした状態で見ていた俺の前に影ができた。
「貴様はなにものだ!?」
さっき指揮をとっていた人だ。
「見たところ民間人のようだが。まさか反乱軍か?」
俺を見下ろしながら問う。
民間人とか反乱軍とかなんだよ?
「なぜここにいる!? 緊急令を聞いていなかったとでも言うのか!?」
なんだ緊急令って?
ここにいちゃいけないのか?
わけがわからない。
いや、それよりも聞くことはある。
「そんなことよりこれはどうゆうことなんですか!?」
「貴様、軍人である私の質問を無視するのか!?」
やっぱりこの人は軍人なのか。
でも現在の日本には軍隊なんて・・・・・・
自衛隊のことか?
「だいたい、貴様ぐらいの男がなぜ徴兵を免れている?」

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