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飛んでも世界12

[502]  猫空  2008-09-09投稿
第十二話、祭りの手伝い
魔天乃乱が終結して数日後、神天神社で毎年恒例の夏祭りが行われた。
その中に、祭りの手伝いをする巫女装束の清美、進美の姿があった。
「世の中暑い、人少なくない?」
清美は逃げようとする由理香を捕まえ、進美と共に尋問する。
「よ、世の中暑いから出だしが悪いのでしょう?ははは」
由理香は笑って誤魔化すが、祭りが始まってから一時間。人数は少なく、屋台も閑古鳥が鳴いていた。
「祭り関係の方が参拝者の十倍いるわね」
進美が辺りを見回す。
確かに参拝者の数は少ない。
「このままでは、飛河さんと飛山さんのバイト代も出せない」
由理香が溜息を付く。
「世の中暑い中働いていてバイト代無しなんて、苦悪!」
進美が叫んだ。
「二人共、落ち着いて!私達が慌てたら屋台の人達にも不安が拡がるわ!」
清美が二人に主人公らしい事を言った。
「主人公らしいは余計なナレーションね」
清美がナレーションに文句を言った後。
「お困りの様ね」
三人の後ろから一人の女性が現れた。

「ほ、白様!」
現れたのは、第參最高女神白こと吉元志乃。
実は、神天神社の御神体なのだ。
「私が手を貸すわ。閑古鳥が鳴きっぱなしは嫌だしね」
と言って、志乃は愛用の神笛を吹き始めた。

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