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奈央と出会えたから。<228>

[541]  麻呂  2008-09-20投稿

『実の親に言われたのよ。ショックだったわ。あたしは実の親にも自分を信じてもらえなかったんだから。

結局、母はその時付き合っていた男に夢中だったって訳。

実の娘に、“あんたなんて産まなきゃよかった”って簡単に言えてしまう位、その男に夢中だったのよね。

そのコトがあってからよ。あたしが過呼吸の発作を起こす様になったのはね。』


あたしは――



何も言えなかった――



ただ――



黙って
――



ミズホさんの話を聞くコトしか出来なかった――



『だからさ、クリスマスパーティーのトキ、奈央ちゃんのお母さんに、初めてお会いしたけど、あたし、ステキだなって思ったの!!

そして、凄くカッコイイなって思ったのっっ!!』



こんな辛い話をしているのに――



そんな、明るく笑えるなんて――





『それで、ミズホさん‥今はもう大丈夫なんですか?!
体調の方は‥‥。』




丁重過ぎる位――



言葉を選んだ――





『あはっっ。治ったわよ!!あたしね、これでも立ち直り早いのよ。B型だしっっ。

だから奈央ちゃんも絶対治るから!!

大丈夫よ!!』



その表情は――



決して、無理をしている様には見えなかった――



本当に、もうそのコトについては、



吹っ切れたのだと、


そう思えたんだ――


『奈央ちゃん。話し込んでたら、時間がどんどん過ぎちゃったわ!!

ほらっっ!!

チョコが出来たら、後はラッピングしなくっちゃ!!』



『は‥‥はいっっ!!』



あたし――



ミズホさんのコト――



凄く強いヒトだと思ってた――



でもそれは――



あたしの誤解だった――



神様――



ミズホさんとサトル君が――



揃ってH校に合格出来ますように――

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