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奈央と出会えたから。<237>

[584]  麻呂  2008-10-01投稿

* * * * * *

サトル君とミズホさんのH校合格発表の日――



『奈央!!サトルとミズホ合格だってよ!!』



机の上に腰を下ろしていた聖人が、携帯の画面を見ながら、あたしに言った。



『うん!!あたしの携帯にも今、ミズホさんからメール来たよ!!』



H校は私立だから、個人別に封書で合否の連絡が来るんだけど、



それより一足早く、学校にも連絡が入るらしい。



『ミズホはともかく、サトル‥よく受かったな。俺、アイツが勉強してんの見たコトねぇし。』



そう言って、聖人はあたしの方を見て笑った。



『あはっ。でもホント2人揃って合格出来てよかったよネ。』



『おぅ。そんじゃ、サトルの浮かれてる顔でも見に行くか?!3-5に。』



『うんっっ!!』



よかったね。



ミズホさんとサトル君。



クラスも一緒になれるといいね☆



あたしも、この1-3のクラスメイト達と一緒にいられるのもあと少し。



それは、



2年になる時にクラス替えがあるから。


2年生になったら、一体どんなコトが待っているのだろう。


新しい“トモダチ”出来るかな。



そう言えば――



あれからユカは、サチヨと一緒にいない。



1人で席につき、本を読んでいる姿を、


よく目にする様になった。



周りのクラスメイト達は、



そんなユカに対し、


聞き捨てならない陰口を言ったり、



シカトしたりしてた。



ユカを見ていると、


まるで、



1学期の頃の自分を見ている様だった。


でも違う所がひとつ。



あたしには聖人がいるから。



サトル君、ミズホさんがいたから。



ユカ――



もし、また仲良くなれるキッカケが出来たなら、



あたしは、前の様に戻りたい。



もし、2年生になって同じクラスになれたなら、



そのキッカケを掴みたいんだ。



何時か――



あたしの中学校生活は最高だったって、


笑って話せるトキが来たら――



それって凄く素敵なコト――



オトナになるコトって――



決して悪いコトばかりじゃないよね――


あたしは、そう信じてるんだ――

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